ID:INVADED イド:インヴェイデッド


ID:INVADED イド:インヴェイデッドは謎の空間に投げ込まれて自分を名探偵と名乗る男から始まる。

真実は娘が通り魔に撲殺されて奥さんも自殺してしまい犯人を許せず殺害し囚人となってしまった鳴瓢秋人(なりひさご あきひと)を軸とした話だ。タイトルにあるイドとは殺人犯の殺人衝動を基に構築する仮想世界となっている。囚人をこの仮想世界に投げ込み犯人の殺人衝動を分析する事で解決を図る舞台が出来ている。突然訪れた絶望に対して納得しきれない男の話であり、それが見所だと思う。中盤の10話は見ていて苦しくなるくらい幸せな家庭の描写があり、それが既に破壊され尽くしてる事もわかるのが辛い。クレヨンしんちゃんオトナ帝国の逆襲でヒロシが家族の回想に触れる所で涙腺を誘うが、それと同じ流れで描写されたものがID:INVADEDでは全て壊されているから残酷だ。前半では様々な事件の対応。中盤で主人公が受けた絶望とそれがなかった時の救い。後半では黒幕とのスタイリッシュバトル。黒幕の目的が割と曖昧で、合理性やコンプレックスから発生したものではなく、悲しみから生まれたエピソードがあれば悲しみと悲しみの掛け合いでより救えない話に成り得たが、連続殺人鬼メーカーと呼ばれてステッキを片手に帽子を被る等、どこか劇場型犯罪な側面もある事から黒幕が人の心を傷つける事に対して考えが及んでいないことがわかる。終盤で黒幕が鳴瓢(なりひさご)に謝罪するが、我欲に塗れた最終目的を達成させようとする事で鳴瓢との衝突がより加速する。


オープニングの曲はテンポが良いのに悲哀がこもっており、ストーリーと異様にマッチしている。物語自体が家族の回想など再見するのが辛くなる描写もあり、時間を置いてからやっと再見できた。悲しみを乗り越えて戦っていこうと思える曲調だ。失った物は取り戻せないが、ずっと悲しみに暮れてはいられずに立ち向かうべき時が来る事が伝わってくる。

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