case.アトラスの契約

ロード・エルメロイⅡ世 case.アトラスの契約
既にアニメ化までされている「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 魔眼蒐集列車」の続きであるcase.アトラスの契約を読む。

内容はエルメロイ2世の内弟子であるグレイの故郷である村への再訪と再演。出会いの話をライネスの追想を交えてグレイと話していると、魔眼蒐集列車でロード・エルメロイⅡ世の聖遺物を盗んだ男、ドクター・ハートレスの蠢動に気づいたエルメロイがその村へ再訪するべく現れる。気づきのきっかけとなったものは、村への初訪時に偶然会ったアトラス院の院長、ズェピア・エルトナム・アトラシアの発言。

ロード・エルメロイⅡ世 case.アトラスの契約

旧い型月ファンなら別の物語で見た事がある人物である。服装と苗字は違えど、月姫本編終了後に街を襲った怪異、死徒二十七祖の十三位にしてワラキアの夜と呼ばれた男の元になったズェピア・エルトナム・オベローン。

本人もロードエルメロイⅡ世と邂逅した際に死徒二十七祖が関連した世界軸を把握している。同じ死徒繋がりでグレイの故郷である墓地の元となった人物が、別世界軸で二十七祖の一人であった事なども知っていた。

ロード・エルメロイⅡ世 case.アトラスの契約
アトラス院の院長との邂逅で始まるアトラスの契約を基としたあの日の再演。初めて訪問した日の翌日に亡くなったグレイと酷似した人物は誰だったのか。全ては「何れ未来に蘇る王」の為であり、過去に訪問した際には会わなかったアーサー王の精神体を名乗る存在との邂逅。そしてアーサー王の体であるグレイ。精神と肉体は揃っているが、魂はまだない。

ハートレスはその魂を英霊召喚で補おうとしているが、それは飽くまで別の計画の為となっており、村に対しての直接的な干渉もないので、王の復活は村だけの目的となっている。

ロード・エルメロイⅡ世 case.アトラスの契約
ここから個人の感想だが、何れ未来に蘇る王計画には前述した通り、計画に不足している部分があり、村自体には大きな実行者も欠けており、教会の代行者や墓守もいた事から、いずれにしても頓挫した可能性は高い事が窺える。本件における物語の本幹であるグレイの母の「娘が孤独になる事を犠牲にした上で、娘を崇めるという表層的な対応。それにより生存させるという覚悟を決めた行動」の前では全てにおいて難しかったように感じる。母の愛は強力だ。

物語の軸は過去に何が起きたかではなく、何故再演が起きているか。が問題の基礎となっており、そこに介入するのは代行者でもなければ、教会でもなければ協会でもない。型月ファン、特に最近ではFGOやっている人なら一度は目にした言葉である「概念」が、事件の本道となっている。

一方でこの型月世界は分岐における鏡面世界も多いので、状況によっては第五次でセイバークラスがアーサー王でなくなる可能性もあった反面、運命は確実に第五次でアーサー王を再召喚した可能性が高いという事を見せつけているようにも感じられた。

しかし、このアトラスの契約、上下巻は映像化に難しい概念の説明が多い。七大兵器もFGOと絡んでいる事からも、映像化説明する際に簡略すると陳腐になり、説明しきるとパッと見の一見さんは見るのが面倒になってしまう。正しく省略しないと他作品の根幹にも触れてしまうので要注意だろう。

健気に振る舞うヒロイン、グレイが抱える問題は毎回話が進むたびに、少しずつ晴れていく。が、実際に物語の問題は大きく解決しないまま話は進むので、とりあえず次は事件簿における最終幕、冠位決議を読みたい。

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