暗黒ホテル第08話「吐血の日々」

専務が4ヶ月ぶりにホテルに来ました。

チンピラ君と話をする為です。


自分は交えずチンピラ君と2人で話していました。

「何かあった時の為、隣にいる」と話をして、
話が丸聞こえの隣の部屋で話を聞いていました。

案の上ですが、専務も自分の批判を前提で話していました。

というのも、事前に「自分の悪口を言った上で話を引き出したほうがいい。」
とお話ししていました。真に受けるのもどうかとも思いますが、問題はありません。

彼にはこちらに対して、嫌悪感を持ってもらいたかったです。
専務を呼ぶこと自体、騙まし討ちする形にもなっていましたし、
公平な立場で感情的に嫌われたかったのです。

元々嫌われているとは思っていましたが、よりよく嫌われたかった・・・
中途半端な修復をされても困るのです。


そして・・・・負に負を掛けた会話がなされた結果、チンピラ君は辞める事になりました。

最後に専務から「貴方も悪いんですよ」と言われました。
自分は「いえ、私も含めた皆が悪いですよ」と答えました。

そしてチンピラ君とは言葉も交わさず別れました。
出会いにして4ヶ月の付き合いでしたが、情はありません。

そして、ここから一人のホテル経営生活が始まります。

食事を作る人間が消えたので、食事を作ることになるのですが、
過去のホテル勤務で1年程、調理経験がありました。

それに基づいて、業務的な支障は然程ありません。
元々いなくなるのを想定して一人で出来る覚悟を決めていました。

一人になっても色々ありました。
フロントの裏で血を吐いてぶっ倒れたこともあります。
結局誰もいないので、2時間ほどしてからムクリと起き上がり仕事をしていました。
(数か月後に通院した際、胃潰瘍であった事が判明します。)

本社には退職の意思を示しましたが、後任が決まらずにいました。
この段階で専務からはもはや連絡もなく、完全に切れていました。


友人知人には「そんな所、捨てて逃げろ」まで言われていましたが、
逃げたら無人の施設でそれこそ泥棒入ったりしたら、どう責任取るんだ。
と思い、思考は止まっていました。

腰は痛く、散髪も出来ない為、髪は伸び、咳も止まらない。階段の登りをすると血を吐く。
睡眠も一日4.5時間。休みも2ヶ月ない。
残業は毎日8時間オーバーしているが明細には勿論、反映されない。


ここで死ぬのだと思いました。

・・・この頃、よく亡くなった父の葬式の夢を見ました。
けれど、何故かわからないけど、途中から葬式の写真が私になっていました。


父の葬式は会社の人がたくさんこられていましたが、
私の葬式には故郷の母と数名の友人だけでした。

気づけば葬式には誰もいなくなり葬式場に誰もこない、
無人の式場の夢をよく見ていました。

変な話ですが、一人で死ぬ覚悟をし始めていたのかもしれません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする