暗黒ホテル第04話「ポケットマネーで人を集める」

2011年11月。年末の繁忙期まで一ヶ月を切っていました。

自分とチンピラ君だけで連日の満室のお客さん50名を
対応しきれるかと言えば、対応しきれません。

そもそも、パートさんが集まりませんでした。

時給850円で年末の忙しいときに人は来ません。
それに私が赴任していたところはリゾート地であり、人の出入りが少ない所でした。

本社に言っても時給は上げてもらえませんでした。
専務からは「うまく人を集めろ。」と言われてましたが、
赴任して半年もたっていません。無茶振りにもほどがあると思いました。

求人系の業者さんにもお願いして、何社か対応していましたが、
やはり時給が低い事を指摘されます。

こればかりは、私の手ではどうしようもありません。

もう誰にも頼る気が失せていました。

しかし、心情的なものは別として、刻一刻と時間は迫ります。

元々、労働に対して耐性のないチンピラ君からも人がいない状況に対して
耐え切れず、悪態をつかれていましたが、気にしている暇もありませんでした。

それに、チンピラ君も年末差し迫った状況となっては、使い切るしかありません。


事前に起こり得るであろうことが、起こっていました。
しかし、悲嘆にくれていても何も解決しません。

そして・・・・腹を括りました。



当時自動販売機にジュースを入れていた業者に頼み込み
時給1000円で人を雇うことにしました。
150円はポケットマネーからの自己負担です。

経理集計時に自己負担分を調整する事にしました。

それでも人が集まらず、業者に旅館の自販機設置など
色々都合を聞かせてなんとか2人集めました。
業者には謝礼を個人でも支払っています。

チンピラ君も好きにさせてやることにしました。
フルタイムで調理する以外は時間が空くのも知っていましたが好きにさせました。

皿洗いとかもさせませんでした。
要約するとはチンピラ君は料理だけ作っていればいいで思考が止まっています。
チンピラ君の愚痴・不満を聞くより自分でやった方が時間が無駄になりません。

更には社長が言っていた売り上げにも貢献する事にしました。
宿泊費だけでは売り上げが達成しないので、他施設への仲介量をとることにしました。

電話予約があった場合、客室が満席なら近隣施設へ客を流して仲介料をとるやり方です。

宿泊系のWEBサービスで有力どころは3ヶ月で全て抑えており、満室にして
その後は電話いただければ対応するということを波及できるように外部へ営業をかけていました。
これは満室対策の為に、早い段階で対応していました。

とにかく、ここからは人件費との戦いになります
人を使う時間が長くなれば長くなるほど、会社ではなく自分にとってマイナスがでかくなる。
これは本当にとんでもない話です。
しかし、現状を打破するにはそれしかありませんでした。

会社からもらう給料だけでは、圧倒的に足りなくなるので、
これまで貯めていたポイント系のアフリェイトサイトをフル活用して副業としました。
他にも何点か記事作成などの簡単な委託業務を請け負いました。
けれど成果が出る以上に時間がないので自分の貯金も崩しました。

持てる力と今ある環境での全力を尽くしました。

27歳の冬。

道は暗く、ここから先に何が見えないまま、
それでも月明かり(自分の貯金)だけを頼りに前に進むしかありませんでした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする