暗黒ホテル第06話「自分がクズになった時」


2011年年末。

あらゆるクレームが発生しても「最低、人が死ななければいい」の真情で取り組みました。
もうこの時点でサービス業でもなんでもないのですが・・・

この頃は会社から一ヶ月にもらう経費が10~15万円でした。
光熱費諸々は別口座だったのが救いです。

しかし、それでも繁忙期の宿泊者は800人にもなります。

800人に対して多くて15万円の費用で用意した食事を賄います。
風呂場に置いてあるボディソープや客用髭剃りとかのアニメティ費用も含めてです。
この段階でギリギリを突破しているのに、人件費もその中から支払わなければいけませんでした。

この段階で、すでに自己負担が予測されているのに、
専務に掛け合っても、年末は本社も忙しいとの返答。

本社の面子にトークンで聞いてみると
「辞めたパートさんがこれまでのサービス残業について訴えてきた」とかで
話題になってたそうです。

なんだか呆れる以上に笑えてきて、会社からの支援は一切何も望まなくなりました。
それについて考える。問い合わせをする。
掛ける時間がとにかく勿体ないのです。


それでも、そういった経費状況も知らぬまま、
チンピラ君は「正月だから良い料理を出したい。」とか言ってきました。

前回の件もあって、彼を頭数から完全に外していました。
もはや同僚。仲間とかではなく、どこかの派遣で調理場にいる人の感覚です。
半分お客さんくらいの感覚で愛想よくふるまっていました。・・・この時期は。

そんなわけで、そんな申し入れに対しても好きにさせてあげました。

落ち着いて考えると、彼も料理人としての出だしがあまりいい環境ではないのです。

しかし、それはそれなだけです。

彼の言動によって、私は施設から出ない運用をする。
と言ってましたが、一つだけ語弊があります。


ゴミ出しです。

村なので、ゴミの回収がなく、村のゴミ捨て場(車で10分)にゴミを捨てに行きます。

自家用車にホテルを利用した人のゴミ。を積んでゴミ捨て場に毎日捨てに行きました。

最初は自分の車が臭くなるのが嫌でしたが、馴れたら何も感じなくなりました。


そんなこんなで、年末用に募集していたパートさんが決まりました。

パートさんは2名。

自動販売機業者の知り合いの方です。

面接して即採用にしました。一時間時給1000円。
場合によってはプラスもあるとして、逃げられないようにしました。


勿論、会社から決められた金額よりプラスは、
自己負担ですが、もう回ればいい。しか、頭にありません。

とにかく忙しかったのです。
予約客以外に外人の宿泊客が突然来て、ない知恵を絞って接客したりもしました。

疲れる暇なんてなかったのです。

駐車場も除雪に手が回らないから、施設から300m離れた、村の公共駐車場にしました。
当然ながらクレームが殺到しました。

「盗難があった場合はどうするんだ!」

こういう時は本当はちゃんとした謝罪をすればいいのですが、
数回やって心から謝罪するより相手に「相手にならないと奴だと思わせる」ように
仕向けたほうが楽でした。


心がない人形でした。
一回不満を持った人間は、どうやっても不満を出します。

それなら宿泊キャンセルしたほうが、風評被害をネットワークに拡散させる前に潰せました。

もう手段は選んでいません。
一人の客のクレームが連鎖する場面も見てきました。発生する前に初期で潰す。

潰さないやり方も知っていましたが、もう本音を言うと一人では対応しきれませんでした。


維持存続を実施していく上で、おもてなしの心以上に、時間の損益しか考えません。
ただ目の前のことを終わらせます。

計画を練れない環境化で、現状維持すらも続くはずもないが、続けました。
最終目的である「誰も死なない」が達成すればいいと思いました。
一人で自分の墓穴をずっと掘っている気分でした。

そんな自分の状況とは関係なく、それでも周りはリゾート地なので年末はお祭り騒ぎでした。


雪山に花火は轟くし、客も門限の制度をもうけても、
非常口から入ってくるので諦めて解放しました。

祭り気分の客で「乱交したい」みたいな事言ってきて、
宿泊以外の奴も連れ込んでいたのもいました。
さすがに他のお客様の迷惑になるので。と、さすがに断りました。
しかし、結局連れ込んだりしていたようでした。

客が去ってから部屋が精液臭いと、パートさんに言われて、部屋に行ったら酷い惨状でした。

その部屋を二日間窓開けたままにしてから清掃した記憶があります。

人間として色々な事に興味がなくなった時期でした。好きとか嫌いの世界ではありません。

興味がない事こそ、対人関係における最終局地なのだと知りました。

そんな事の繰り返しで年末は終わりました。

2016年12月31日は徹夜でそのまま朝を迎えました。

倒れなかったのが奇跡でした。

なか卯のロースビーフ丼

なか卯でローストビーフを少し前からやっていたのですが、住んでいる所になか卯はなかったので、食べる機会がありませんでした。しかし、今回引っ越したことで食べる機会が巡ってきました